映画館の休業要請の緩和され、
本来ならば、もっと多くの映画館で公開される予定であったであろう映画「ファーザー」を、
やっと今日観てきました。
「歴史に残る番狂わせ」だと話題になった、
第93回アカデミー賞主演男優賞に選ばれたアンソニーホプキンスの作品です。
映画好きな友人が、絶対見た方がいい。
コロナ禍だけど、
行けたら行ってと言われたので、これは観ないといけないと思って。
今年のアカデミー賞の主演男優賞は、前評判はほとんどだれもが、2020年夏、若くして逝去したチャドウイックボーズマン。
彼が遺作となった
「マ・レイニーのブラックボトム」で、
初めてノミネートされたということで最有力候補になっていたようです。
本来ならば、アカデミー賞の最後を飾るのは大トリの作品賞になるのですが、
今回はなぜか、
主演男女優賞の前に作品賞の発表をもってきて最後を主演男優賞にして、
この若くして亡くなった黒人の俳優の受賞を讃える感動場面で締めくくる演出をしていたようでしたが、
実際は、チャドウックではなくて、
作品「ファーザー」主演の、83歳アンソニーホプキンズが受賞したという結果に終わったという結末。
そのホプキンズは、受賞など全く考えていなかったらしく、オンライン授賞式にさえ出席せず、生中継の時間は就寝していたそうです。
翌朝、寝耳に水のホプキンズは、朝を迎えたイギリスの住まいから、
SNSを通じて受賞に対する感謝の意と、ボーズマンに対する敬意を述べています。
www.instagram.com
さて、その彼の作品がやっと公開されるとなってまもなく映画館の休業もあり、もう観る機会もないかもと思っていましたが、
本日、持病の病院の通院帰りに行ってきました。
作品の内容は、全く下調べせずに鑑賞しました。
最初の場面から、とにかく何回も同じ場面が出てきたり、
ただ、その都度、登場人物も変わり、
アンという名の娘が、1人ではなかったり、状況設定が毎回違っていて
混乱していくのです。
あれ?おかしい。ここはどこで、あの人は誰なの?いったい・・・
この場面は、さっきもあったけど、またでデジャブのように何回も出てくる・・・
いないはずのひとがいて、いるはずに人がいない。
場面の展開が全く見えず、
いったいどうなってるの。これってわたしだけが
理解できてないの?
途中でやっと、ああ、こういうことかとわかってきてから、
一気に、この作品の中にぐっと感情を持っていかれてしまいました。
作品の内容は控えますが、
いろんな感情がわいてきて、深く心に染みました。
目線が当事者目線で描かれていて、またそれをささえる家族の苦悩。
本人さえも分からない自分の状況からくる苦しみあせりといらだち。
マスクの中に流れる涙を拭っていたのは、私だけでなかったようで、
後半は、ハンカチを手にして鑑賞されている方が周りにもいました。
次は、こちらの作品も観たいなと。