Walking along The Highline

立ち止まることもあるけど、歩き続けていたい。

50代のリアルな毎日。いろんなことをつぶやいていこうと思います。

「ミステリと言う勿れ」から、I miss you so much

昨夜遅い時間に、Tverの方で、「ミステリと言う勿れ」第4回目を視聴しました。
今回は、榎本佑さん演ずる記憶喪失になった犯人の爆弾事件の話でした。

菅田将暉さん演じる整君は、「ただの大学生」なはずなのに、
知識豊富で、たぐいまれない考察力などの能力があるために
それを見込んだ風呂光刑事から、
再び、犯人作成した暗号解読の依頼が来て、事件にかかわることになります。


犯人は、爆弾をある場所に仕掛けるのですが、まもなく爆発するかという時間に
車にはねられ飛ばされて、一時的に記憶喪失状態になります。
そこに整君が現れ、記憶を取り戻すべく話をしていくにつれ、記憶も戻り、
どうしてその場所に爆弾を仕掛けた理由もわかってくる。
という流れ。



www.fujitv.co.jp



暗号については、ちりばめられたレターから、数冊の本と著者がヒントとなり、解読されていくのですが、
その中に、
詩人の三好達治さんの「乳母車」という詩を用いる会話がでてきます。




爆弾犯の男は整に聞く。

三好達治の“乳母車”って、知ってる?」

「“母よー”ってやつですか」

「“母よー 淡くかなしきもののふるなり 紫陽花いろのもののふるなり” 降っているのはなんだろうな」



このドラマで、久しぶりに三好達治という詩人のことを、思い出させてもらいました。
学生時代に、教科書で出会っただけであったような気がするのですが、
改めて、この乳母車という叙情詩を、グーグルで検索して読みなおしました。





母よ――

淡くかなしきもののふるなり

紫陽花(あじさい)いろのもののふるなり

はてしなき並樹のかげを

そうそうと風のふくなり

時はたそがれ

母よ 私の乳母車(うばぐるま)を押せ

泣きぬれる夕陽にむかって

轔轔(りんりん)と私の乳母車を押せ

赤い総(ふさ)のある天鵞絨(びろうど)の帽子を

つめたき額にかむらせよ

旅いそぐ鳥の列にも

季節は空を渡るなり

淡くかなしきもののふ

紫陽花いろのもののふる道

母よ 私は知っている

この道は遠く遠くはてしない道



母を想うこの詩を読んでみました。
この爆弾犯人が根底ある「母への憎悪」は、「母への慕情」であったこと。
どんなにひどい目に遭っても、母への想いは断ち切れない。


私の場合は、
ただただ愛情を降り注いでくれた母。
この詩を読んで、写真立ての中にある母の顔を、久しぶりに眺めて
母が恋しくなり、涙が出てしまいました。

はからずも、
2月1日は、生きていれば84歳になる誕生日です。
亡くなって、もうすぐ20年になります。


何歳になっても何歳になっても、
母は、母です。
そして私も、あたたかな記憶は忘れられません。



夢でもいいから、母に会いたくて仕方ありません。